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Nefertiti, the Beautiful One Has Come - Cecil Taylor

Nefertiti, the Beautiful One Has Come - Cecil Taylor

散髪屋の店主がマイルス・デイビスのLPレコード『キリマンジャロの娘』をかけ、身体をスウィングさせながら僕の頭にチョキチョキ鋏を入れていた。ロック少年だった僕は、この不思議なリズムの音楽に痺れた。その後の生き方を左右するJazz体験がこの散髪屋から始まった。すごく印象的だ。この音楽に会わせてくれた散髪屋の店主に感謝している。

創造は破壊から生まれる・・・、僕にとってそれを証明してくれるのが、アヴァンギャルドJazz。Jazzの10月革命の旗手・その人がセシル・テイラー。流れるようなメロディー・心地よいリズム・美しいハーモニー、そんなものはコマーシャリズムに乗っかった軽い音楽だっ、と言わんばかり・・・。そんなアヴァンギャルドな音楽にハマってしまうと、やばいっ、中毒になってしまう、価値観が180度ひっくり返る。

1970年だったかな、僕はセシルテイラーのPIANOSOLOライブを新宿で見た。この世のものとは思えぬとても美しいサウンドだった。ときおり唸り声を上げ、ピアノから離れてダンスパフォーマンスをしたり…。自由な音楽を創る、自由な音楽家だ。

スタンダード曲「WHAT'S NEW」は、美しさのエキスは残しつつも一度ばらばらに解体され、テイラー風に再構築されている。デフォルメされたシュールな美がそこには有る。「どこにも無いここにしか無い」美である。まさに、「The Beautiful One Has Come」である。ここから、僕のJazzが始まる。

Nefertitiマスター 2013年4月6日執筆